40代,50代からの女性の集いの「場」
今月の特集

食卓の菜時記 ~初夏の頃~

幼かった頃、初夏の食卓の記憶にある風景は、鮮やかな色の茄子や胡瓜のぬか漬け。

南蛮漬けなどのお酢を効かせた献立。冷ややっこや、おきゅうとのようにさらりと口触りの良いもの。そして、ねぎや紫蘇、生姜、茗荷などの涼しげな薬味。

白磁やガラスの器、竹かご。

日本の夏を乗り切るための先人の知恵が垣間見えます。

今日はそんな記憶の中にある食卓の風景を想いながら、ある日の献立をつくります。

献立

・ごはん
・豆腐ハンバーグ 
・夏野菜の和風マリネ
・蒸し茄子に紫蘇・生姜・茗荷の薬味を効かせて
・冷やっこ
・かぼちゃの煮物

◆夏野菜の和風マリネ

【材料】
お好みの夏野菜(今回使用したのは、甘唐辛子・ミニトマト・オクラ・ズッキーニ・アスパラ・シイタケ)
鰹節
合わせ酢
にんにく
オリーブオイル

【作り方】

1.沸騰したお湯に、鰹節を入れて一分煮立たせたら火を止めてしばらく置き、ざるでこしておく。

2.出汁4:市販の合わせ酢1の割合でマリネ液を作っておく

3.オリーブオイルを垂らしたフライパンでにんにくを焦がさぬように香りを立たせ、トマト以外の夏野菜を中火で丁寧に焼き、軽めに塩をふって、柔らかくなりすぎないよう注意しながら火を通す

4.歯ざわりよく焼いた野菜を熱いうちにマリネ液に浸し、トマトも生のまま同じマリネ液に浸す

ポイント
熱が冷めるときに野菜にマリネ液の旨味が染みてゆくのでしばらくはそのままで

鰹だしのコクと旨味、お酢のほのかで爽やかな酸味が野菜本来の甘味、酸味、辛み、と相まって旨味を増します。きれいな色の夏野菜パワーも余すところなくいただきましょう。

常備菜として備えておいて、夏の食卓の定番の一品にしてはいかがでしょうか。

夏に必要な栄養は夏野菜から。
夏だからと身体を冷やしすぎないように、食でご自愛ください。

今回登壇頂いたのは

矢野 陽子さん
食と暮らしのコミュニティーラボ
料理研究家・食生活アドバイザー・食の流通プロデューサー

三世代家族に育ち、子どもの頃から台所仕事が好き。
仕事を持ち、結婚、育児、介護を経てやはり「食べることは大切だ」との思いを持つ。
積み重ねてゆく日々を大切に、食卓を真ん中にした暮らしの提案を続ける。

料理教室「陽だまりキッチン」主宰
Instagram http://happy.hidamari.kitchen